米国不動産バブルの予測について、Fabozzi 氏と Keli Xiao 氏という2人の学者が2018年4月に論文を発表しました。
Fabozzi 氏は、「ファイナンシャル・タイムズ2017」がファイナンスに関し世界1位の学校と評価したEDHEC経営大学院の教授であり、Keli Xiao 氏は、ニューヨーク州立大学の助教授です。
米国の不動産バブルは、世界金融危機と不況の引き金になったと言われています。
だから、またしてもバブルが起こるのか、それとも起こらないのか、知りたいところです。
Fabozzi 氏の論文は、「住宅の売買価格と家賃の相場を比べれば、バブル度が測れる」と述べています。
なぜでしょうか。住宅の値段と家賃は、ふつう同じように上がったり下がったりするはずだからです。
例えば、東京に住みたい人がたくさんいれば、東京にある一戸建ては値上がりするし、アパートの家賃も高くなるはず。一戸建ての値段だけがうなぎ上り、というのはヘンですよね。
さしたる理由もなく、「いまに値上がりするだろう」と思って住宅を買う人がいるから、値段がどんどん上がるのです。これがバブルです。
最後に買う人が誰もいなくなり、バブルがはじけ、世の中は不況に。こわいですね。
下図はアメリカの住宅価格と家賃を表したグラフです。赤線が家賃、黒線が住宅価格です。
家賃(赤線)はゆっくりしか上がらないのに、住宅価格(黒線)の方は2000年~2006年に急に上がり、2007年から下がりました。そして世界金融危機になってしまいました。
以上はアメリカの場合ですが、他の国でも不動産バブルが起こっていて、その期間は4年~12年間でした。例えば、
それでは、最近バブルは起こっているのでしょうか?
この論文では、「アメリカでは2014年11月からバブル再開の兆しが見られる」という結論でした。
特に2013年11月以降のニューヨーク、2014年5月以降のマイアミ、2013年9月以降のシカゴがバブリーな感じになってきたそうです。
しかし、バブルになっても、儲ける方法はなくもないという気がします。
なぜなら、以前アメリカでバブルがはじけた時。大儲けした人がいたからです。
その方法は、映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」で紹介されています。
ブラッド・ピット、クリスチャン・ベールなど有名な役者が出ていて、分かりやすい映画なので、ぜひご覧ください。
参考資料:Frank J. Fabozzi and Keli Xiao. The Timeline Estimation of Bubbles: The Case of Real Estate. REAL ESTATE ECONOMICS