ベンチャー企業は、発足当初は創業者のビジョンや技術プロジェクトを率いる創業者の能力に依存します。
しかし会社が成長するにつれ、マーケティングなど他の種類の経営手腕を必要とします。
ところが創業者にその能力が欠けている場合が多いのです。
このため、創業者による支配が続くと会社の価値が損なわれる可能性が出てきます。
原題:「The throne vs. the kingdom: Founder control and value creation in startups」
著者:Noam Wasserman
掲載紙:Strategic Management Journal 2016年1月8日
観測期間:2005年~2012年
データ
分析方法:固定効果モデルも使った回帰分析
従属変数
独立変数
結論
私の感想
NHKドラマ「まんぷく」のモデルとなったインスタントラーメンの発明者、安藤百福氏は、日清食品が上場した後も経営トップとして活躍し続けました。もっとも安藤氏の場合、インスタントラーメンで起業する以前に26年間に渡って起業と経営を行なった経験があったので、この方は例外的なのでしょうね。
スティーブ・ジョブズ氏は起業に大成功した後、経営から締め出され、それから復帰して再び成功しました。これも例外なのでしょうか。
本論文の結論からすると、起業家は3年ぐらい働いて会社を軌道に乗せたら、持分を手放し、楽隠居するか、新しく別の会社を起業するか、どちらかを選ぶ方が世の中にとってベストとなります。起業家の人生は変化に満ちていますね。